「夜眠れない…。」|かゆみの原因と睡眠の関係

 

「乾燥肌でかゆい!」「汗疹がかゆい!」

かゆみは1年中季節を問わず、肌トラブルとして頻繁に起こりますよね。

かゆくて夜なかなか眠れない、目が覚めることもしばしば…。

 

そもそもわたしたちはなぜ、『かゆみ』を感じるのでしょうか?

 

 

『かゆみ』とは?

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かゆみが起こるメカニズムのひとつとして、ヒスタミンが関係してきます。

 

ビタミンみたいな。ヒスタミンみたいな。

栄養素っぽい名前をしていらっしゃいますが、全然違います。

 

皮膚の肥満細胞から分泌されるヒスタミン、かゆみだけでなく発赤や痛み、浮腫(ふしゅ)などのアレルギーを引き起こす原因と言われています!

 

 

かゆくなる原因

 

ヒスタミンは、痛みやかゆみを知覚する「知覚神経」に作用し、その刺激がかゆみとして脳に伝えられると同時に、その刺激は神経の末端にも伝えられ、神経ペプチドと呼ばれる神経伝達物質を放出させます。
この神経ペプチドが肥満細胞を刺激する(かいてしまう)ことによって、さらにヒスタミンを分泌させます。
 
 
つまり、「かゆいから掻く」といった行為は、さらにかゆみ物質のヒスタミンの分泌を促してしまうのです。
 
 
かゆみは、掻くことで一時的にかゆみは抑えられますが、逆にかゆみを増長させてしまう原因にもなりかゆみの悪循環を引きおこしてしまいます。


掻かないというだけでも、皮膚の症状はかなりよくなることもあります。

 

かゆみの悪循環による不快感・不眠などは、生活の質を低下させるだけでなく、生命予後にまで影響を及ぼしています。

 

 

夜になると増す、強いかゆみ

 

かゆみは、夜になると強くなる傾向があります。

これは不眠の原因の1つと言われています。

 

①皮膚温の上昇(熱放散により深部体温を下げて眠気が増強)

②外部からの刺激がなくなり、かゆみに神経が集中してしまう

③肌を角質バリアの低下

 

これらの理由でかゆみは増強されます。

 

また、睡眠中に無意識に体をかくこと(掻破行動といいます)で、眠りが浅くなるだけでなく、眠れないストレスが原因で体をかいてしまい皮膚を刺激し、かえってかゆみが強まり、さらに不眠を悪化させてしまうという悪循環に陥る場合があります。

 

 

かゆみによる不眠対策

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かゆみによる不眠への対策は、かゆみ治療と並行して睡眠週間を見直すことが大切です

 

眠くなったら入床し、10分以上たっても眠れなければ起き上がり、再度眠くなってから入床するなど睡眠週間を見直してみましょう。

 

また、夜になると低下する肌のバリア機能を改善するには、保湿剤を使用するなどのスキンケアが重要です。

保湿剤は、FTU(フィンガーチップユニット)より多めに使用すると良いそうです。

 

 

FTUってなに?

 

保湿剤では目安としてFTU(フィンガーチップユニット)を使います。

軟膏の場合、大人の人差し指の一番先から第1関節に乗る量で、約0.5gに相当します。

これを1FTUと呼び、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。

 

 

 

「かゆいから掻く」では、一時的にかゆみが収まるだけであって、結果的に悪循環を招いてしまうということが分かっていただけましたか?

 

あまりにも酷いかゆみの症状がある場合は、自分でケアしようとせず、皮膚科を受診することをオススメします。

 

睡眠週間を見直したり、保湿剤などで自分に合ったスキンケアを怠らないなど、

『かゆみ』と上手く向き合い生活の質・睡眠の質を上げましょう♩