インフルエンザの予防接種は打ったほうがいいの?|誰でもわかるインフルエンザ
インフルエンザの歴史
近年のインフルエンザの大流行としては、2009年にメキシコで流行が始まった新型が、またたくまに世界に広まりました。
このインフルエンザは、もともとブタの間で流行していたウイルスがヒトに感染して広がったと考えられています。🐽🐖
日本では季節性インフルエンザの流行は毎年11月下旬から12月上旬に始まり、翌年の1月から3月ごろにピークを迎え、4月5月に終息します。
通常は600万~1200万人が感染すると言われていますが、パンデミック(全国的な大流行)が起こると患者数は一気に増えます。
インフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスは、直径100nm(1万分の1mm)の球形をしており、表面には赤血球凝集素と、ノイラミニダーゼの2種類の突起があります。
この2種類は、インフルエンザウイルスが増殖し、感染していくための役割を果たします。
ヒトに感染するインフルエンザウイルスは、みなさんもご存知の通りA型とB型があります。それにプラスして、認知の低いC型もあるので、全部で3つのタイプに分けられます。流行を起こすのは、主にA型とB型です。
体内に侵入したインフルエンザウイルスは、咽喉や気管支の細胞表面にある受容体に、自分の赤血球凝集素を結合させて感染します。
細胞内に入り込んだウイルスは遺伝子を放出し、その情報をもとに増殖します。
また、新たなウイルスは細胞の外に飛び出して、感染を広げていくという仕組みです。
1個のウイルスが細胞に感染して増殖すると、8時間後に約100個、1日で100万個になるといわれいます。
インフルエンザに感染すると、通常1~3日の潜伏期間を経て発病します。
症状としては、38℃以上の高熱や頭痛、筋肉痛や関節痛、全身の倦怠感などが突然現れるのが特徴です。さらに、咳や鼻水、のどの痛みなども伴うことがあります。
つらいですよね本当に…。
症状は、約1週間ほどで軽くなるのが一般的といえるでしょう。
インフルエンザの感染ルート
インフルエンザは、3つの感染ルートで広がっていきます。
①飛沫感染:ウイルスを含む飛沫(咳やくしゃみ)を、鼻や口から吸いこんでしまう感染
②空気感染:空気中に漂うウイルスを吸い込んでしまう感染
そんな感染力の高いインフルエンザがもっとも流行するのは、“学校”。
インフルエンザで学級閉鎖を経験された方も多いのではないでしょうか?
わたしは学級閉鎖1日目にインフルエンザを発症するという悲しい思いをした経験があります…。
学童期の子どもは免疫能が十分に発達していないため、集団生活で感染しやすいと言われていますが、高学年になるほど自然感染やワクチンやワクチン接種で免疫を獲得するようになり、感染率は下がっていきます。
一方で高齢者の方の場合は、感染率は低くても、死亡する割合がほかの年代と比べると高くなっています。
インフルエンザワクチン
予防方法のひとつとして、インフルエンザワクチンがあります。
あらかじめ人為的に病原性を失わせたインフルエンザウイルスを体内に入れ、免疫反応を誘導して抗体をつくることによって病気を予防するのがワクチンです。
ワクチンの種類
不活化ワクチン
『不活化ワクチン』は、ウイルスに化学処理を加えて感染性を失わせたもので、抗体をつくるもととなるタンパク質の有効成分からつくられたワクチンです。
ちなみに、日本で認可されているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。
生ワクチン
『生ワクチン』は、生きたウイルスの毒性を弱めて作られたワクチンです。
毎年、世界保健機関(WHO)は、世界各地から収集収集したインフルエンザの流行情報をもとに次期シーズンの流行株を予測し、推奨ワクチンを各国に伝えます。
日本では、国立感染症研究所をはじめ、インフルエンザ研究の専門家などが国内の流行分析、世界の最新情報を踏まえて、次期シーズンのインフルエンザワクチン株を決定します。(すごい)
インフルエンザワクチンは、より多くの種類のインフルエンザウイルスによる発症や、重症化を防ぐことができるようになりました。
年齢別のインフルエンザワクチンの効果
①0~15歳では、発症リスクが1回摂取で68%、2回摂取で85%軽減。
②16~64歳では、発症リスクが1回摂取で55%、2回摂取で82%軽減。
③65歳以上の高齢者では34~54%、死亡リスクが82%軽減。
と、ワクチンによる発症予防効果はかなりあると言えます。
インフルエンザを予防できる強い味方として、ワクチンは大きな期待ができますね!!